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久しぶりのセルモーター修理 MOTOGUZZI マーニスフィーダのVALEO-D6RA21 [88'BMW R100RS]

随分久しぶりにVALEOセルモーターの修理依頼を受けました。

MOTOGUZZIのエンジンを積んだマーニスフィーダのセルモーターです。依頼文は以下の通り。

 「セルスターターボタンを押すとエンジンが始動する前にセルモーターが止まってしまい、何度か繰り返しますと空回りするようになり、今は全く回りません。モーター本体は過熱します。」

最近はyahooオークションで22000円ほどで新品が手に入ることもあり、そちらもおすすめしましたが修理を選ばれました。 

私も正直いいますと、もともとついているVALEO製に愛着があるので引き受けることに。(新品の方はアメリカのユーロモト扱いですが実は正規コピー品で中国製です。もともと車両についているVALEOはフランスの会社ですが現在手に入る正規品はポーランド製です。本家は当然ですが中華製とは造りが全然違います。中華製は性能はいいのですがネジ穴が座面の真ん中になかったり、本来トルクスのはずの固定ネジがプラスネジだったり・・・・。いえ、性能は問題ないのです。)

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数日後届きました。

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品番はD6RA21。回転方向はラベル端っこの矢印方向で、車両前方から見て反時計回りです。

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恐ろしく綺麗です。大事にされてる車両のようですねー。

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ブラシは殆ど減ってません。摩耗粉もほぼゼロ。使われてない?

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ブラシの接触面も摩耗粉なし。ほんとに故障してる????

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ところがマグネットは剥離してるし、反対側のギアボックスにハマっているはずのグリス飛散防止用の蓋が外れてました。

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ギアボックス側に蓋が外れた原因を発見。ギアボックスが削れて出た樹脂の粉が蓋を押し上げちゃったのです。

でもなぜ外周ギアが削れたのでしょう。

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とりあえずメインシャフトをギアボックスから分離しましょう。

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ピニオンを留めているクリップを叩き落とし、ピニオン、プランジャーを外し、メインシャフトを抜くのですが。

抜けません。プラハンで叩き出しました。普通は手で抜けるんですが。 

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見にくいですが、外周ギアの真ん中、ぐるりと一周歯が削れちゃってます。つまり空回りしてたわけです。

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このギアが上の外周ギアの内側に噛んでメインシャフトが回るのですが、ギアボックスからこの歯の厚さ分がきれいになくなってました。 

ここで壊れた本当の原因を発見。

上の写真の下側、斜めのギアの少し上のシャフト部分が、もう一枚上の写真の真鍮のリング部分に入って滑りながら回るのですが、ここが焼き付いてました。 

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ここには減速機構があり、この3個のギアの真中にモーターのシャフトが刺さり、3個のギアを回します。そして3個のギアの外周が外周ギアボックスに噛み込んで、この3個のギアが公転し、メインシャフトを回すわけですが、今回メインシャフトが固着していたため3個のギアが公転できずにその場で回ってしまい樹脂製の外周ギアを削ったものと思われます。

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さらに熱でマグネットが剥離してモーターユニット自体も破損してしまったのでした。

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とりあえず1月4日中に分解完了。 洗浄を済ませます。

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通常クラッチの粉まみれのケース内側は超きれい。

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ドライブピニオンもピカピカ。

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モーターのアーマチュアも破片の噛み込み等ありません。シャフトの摩耗もなく綺麗すぎます。

明けて1月5日。 

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さて組付け開始です。中古のD6RA7(BMW用)を分解しギアボックスを抜き出しました。

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グリスは耐熱200度のウレアグリスを使用。

ところがここで事件発生。シャフトが真鍮のブッシュに入りません。シャフトのほうが微妙に太い。というか傷が入って引っかかってます。たぶんこれが焼き付きの原因です。

ヤスリで少しずつ削っていき、すんなり入るようになるまで磨きました。

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マグネットはR1100用と同じ左回り用を使います。 マグネットの剥離予防用のクリップ付きです。

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アーマチュアのお尻のシャフトにスペーサーをこの向きで入れて 

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ハウジングにセット。

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クリップで固定。 

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蓋にグリスを詰めて

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叩き込みます。

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ブラシホルダーは不注意で割れたので交換。(ねずみ色の部分。)

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スプリングを、今度は割らないように注意深くセット。

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ブラシは新品から1mm弱しか減ってません。20000㎞ぐらいしか走ってない?(下が新品)なのでこのまま使用します。

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ブラシを組み付けます。

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蓋をしてモーター部分完成。

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ギアボックスにグリスアップし

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シャフトを組み付けます。

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グリスを慣らして

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はずれていたグリス飛散防止用の蓋を圧入。

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ピニオンを組み付け

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ピニオン固定用のクリップをセット。

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モーターを組み付けてあとはカバーを付けて完成です。

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動作確認をして修理完了です。

マグネット7000円+中古のギアボックス1500円+工賃8000円の計16500円いただきました。

これでおかずが一品増やせます。

ありがとうございました。

それにしても、新品セルモーターが最安で13500円ぐらいで売られているので修理依頼はなくなっちゃいました。これも時代の趨勢ですかねえ。 


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